ガーデニングする猫

植物と愛を学ぶ猫の物語

しそみそ

お彼岸も過ぎて暑さも和らぎ、いい季節です。庭の紫蘇が花咲いて実をむすびはじめました。葉はバッタにたべられて穴だらけです。f:id:cspring:20191003133206j:plain
紫蘇の穂を採り実をはずします。
若い実の方がよく香ります。
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フライパンにゴマ油、全体をなじませます。
ピリ辛好きなので唐辛子をいれました。
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味噌投入
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熱いうちに瓶に詰めて密封

湯豆腐、焼きなす、こんにゃく、キュウリにつけたり、炊きたてご飯にのせたり
しそみそは秋のあじわいです

まさこせんせいの庭

 庭で何か動いた。「ねこでもいるのかな。」

 

あまり気に留めなかった。
朝、ほんとうに猫がいた。
しろときじとらの猫がきょとんとした顔で見ていた。

 

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「こんにちは、はじめまして」
「こちらこそ、どうかしましたか」
「すてきなお庭なのでここに住むことに決めました。」
「あらまあ、私、学校がありますので猫の世話はできませんよ。」
「おかまいなく、わたしたち勝手にやりますから。」

 

 庭の手入れはほとんどしていないし、
朝出かけて帰りは夜。

庭はあるけれど気にかけるひまはなく、
だから猫が住み着いているなんて知らなかった。
(まさこせんせいはこの町の小学校の先生です。)

以前、猫よけになるとかで植えたレモングラスが茂り、
いつのまにか、カモミールが咲いていた。

 

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「たねがついてきたのよ」
「ねこさんわたしは・・・」
「いつのまにか花があんなに咲いてうれしいわ。」
「お客様に見てもらうにはどうしたらいいかしら。」
「この辺りからの眺めがちょうどいいと思うのだけど」
ねこは全然話を聞いてなかった。

 

「そうね、お客様に来てもらうにはテーブルと椅子があるといいわね。」
「話もできるし、庭も眺められるし」
「いい考え!ありがとう。」ねこは駆け出していった。

 

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 午後は部屋でテストの採点をしていた。
「ねえねえ、」窓から白いねこがのぞいていた。
「ちょっと来て、まさこ先生」
呼ばれて庭に出ると椅子とテーブルがありました。
「どこから持ってきたの?」
「ちょうどいいのがあったわ」
白ねこはぜんぜん、話を聞いてない。

 

「召し上がれ」
テーブルと椅子、白いねこがお茶を入れてくれた。
「ななです。」白ねこが言った。
「みんとだよ」きじとらが言った。
ティーカップから香りが立っていた。
「いい香り、ハーブティね。」
「お庭で育てたハーブを使って、ななが作りました。」
「甘くておいしいね。」

ステビアの葉っぱを入れたの」となな。
「甘みは香りを引き立てるんだよ」とみんと。


カモミールレモングラスレモンバームステビア
ほどよくブレンドしてティーパックに詰めて熱湯5分
「急ぐとだめ。香りと出会うまでじっと待つの。」となな。
「ポットは丸くなきゃだめなんだよ。」とミント。

 

「きみたちレモングラスは嫌じゃないの?」
「ぜんぜん、だいすき。」
「あらそう。あれは猫よけに植えたのになあ。」
レモングラスをかむとレモンの香りがするよ。」

「猫よけって何?」
テーブルは庭の花がアレンジされている。


「なかなかやるね」
ななとみんとはにこっとした。

 

「ねえ、猫よけって何?」
まさこせんせいはは聞いてないふりをした。

 

緑の鈴を持った猫  モエコの日記

 

 モエコは緑の鈴を持った猫です。

鈴がちりっとなると植物の気持ちがわかります。

モエコは cat's gardenという園芸店で働いています。

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the cat with a green bell

花束を作ってください。結婚記念日なんです。

 

赤ピンク系がいいですか?

イエローオレンジ系がいいですか?

 

赤ピンク系がいいな。

 

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花束を作る時は色調をイメージしたら、

主演の花を決めて

あまり考えてはいけない、

心のままにスパイラルを組んでいくのよ

イムリミット15分、でも、

お客様はいつも待ちきれないらしいの。

 

赤いガーベラを入れよう

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ここにこの花を入れて、

もうちょっとこうしよう、

贈る心によりそい花束を作る、それが喜び。

 

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花束のリボンを作ります。

慣れるまではたいへん、力が入ってはいけません。

集中力も入ります

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何があってもリボンを持つ手は離せません

 

 

できました。

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素敵な記念日になりますように

うめ仕事

 

憧れのうめ仕事の季節です。

庭でなったうめをいただきます。

斑点があるのは無農薬の証、味は変わりません。

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うめがたわわに 

 

木を眺め収穫の時を待っていました。

南高梅みたいにおっきいの。

ワクワクするわ。

二階の屋根に座って、10kgぐらいとりました。

枝に残る実、惜しいけれどこれで十分です。

半分はお隣さんにおすそ分けして、さあ!うめ仕事


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収穫

 

ひと晩水にさらしあくを抜き、ヘソをとったら

うめの重さの20%の塩

塩の20%は砂糖に置き換えて漬ける

 

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梅の重さの50%の砂糖をまぶしてひと晩置く

それを弱火でコトコト 水が出てくる

あくを取りながら コトコト煮る

 

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完成

消毒した瓶に入れて完成です。

お世話になっているs山さんに半夏生と一緒におすそ分け。

もうすぐ夏至ですね。

 

八重桜の咲く頃

今週のお題「桜」

 

 桜前線が北上すると、私の町では八重桜が咲きます。

街路樹はレース編みのように新葉で萌え萌え、

八重桜の咲く頃を合図に植物は目を覚まします。

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花の中にいる精霊がウトウト目を覚まします。

花の精霊が月夜に翔び立つ前に捕まえて

瓶の中に閉じ込めようっと。

 

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昨日でもない、明日でもない、

雨が降る前の、風が吹く前の、5分咲きの花を頂く 花摘みの夜。

それは一日しかないの。

 

それが今夜。

香り立ち昇天する前の、5分咲きの花を頂き、春を愉しむ古人の知恵。

頂いた桜で塩漬けを作ります。

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レシピ:桜の塩漬け

 

水洗いをしたら、水気を切って容器に入れて

花の重さの20%の塩を振り、花の重さの5倍の重りを載せます。

 

2〜3日して ひたひた水が上がってきたら軽く絞って

(絞った桜水は捨てないで)

花をほぐしながら容器に並べます。

 

梅酢をひたひたになるくらい注ぎます。

(梅酢がない時は絞った桜水を注ぎます。)

 

梅酢の方が色も香りもよく仕上がります。

先の重りを載せて、一週間くらい漬けます。

 

軽く絞って、花の形を整えて、ザルなどに並べます。

半日から一日 日陰で干します。

カラカラではなく、生乾きがいいです。

 

瓶やタッパーに花を並べて塩、重ねて並べて塩、

空気に触れないようにあらじおで漬けます。

冷蔵庫で寝かします。

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いちばんの楽しみは「桜ご飯」です

 

桜塩漬けを適量、ぬるま湯で塩抜きをして

みじん切りにします。

炊きたてご飯に素早く混ぜます。

おにぎりにすれば 桜おにぎり、

酢飯に混ぜれば 桜寿司。

 

いつものお酒に浮かべても オサレです。

 

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ぼたもちに 桜を添えて お彼岸参りしました。 

(これは去年の桜 笑)

 

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 春は楽しいな。

 

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ガーデニングする猫より

はじまりの物語はパンジーとビオラ

花に興味はなかった。けれどある日、語りかける花に気づいたの。

 

心のどこかがこわれていた。毎地に悲しくて目が覚めた。その朝もそうだった。
胸の奥で悲しい気持ちがちりりと鳴った。

 

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語りかける花

 


「何か思い出したいのに、それが何か思い出せないわ。」

そう思いながらナナは歩いている。

「曲がり角はどこも同じだニャ。」

元気のないナナを気にしながらミントは歩いている。
「でも今日はちょっと違う、なんでかっていうと昨日よりウキウキしているから。」

 

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角を曲がると花屋があった。

「花の仕事しませんか パートさん募集中 cat's garden 」 

春のような日ざしの中で、色とりどりのパンジーが風にぷるぷるとふるえていた。
「なんて透き通るような青い青なのかしら。」
胸の奥にある泣きたい気持ちにそっと触れてくるような青だった。
いつも見ていた花がなんでこんなに懐かしいのだろう。
胸の奥であの泣きたい気持ちがちりりとなった。

 



何度も何度も撫でられる手の感じ、

その顔がぼんやりと思い出せそうになってまた消えた。
誰かを捜して、いつもいつも泣いていた。

何度も撫でてくれた手の持ち主がどこを探してもいないのだ。
きっともうきっと、あえないのだと

なんとなくわかってきた。

 

昨日と今日は少し違ってつながっている・・・とミントは思った。
「なんでかっていうと、昨日は咲いてなかった花が今日は咲いていて、

明日は別の花が咲いているから。」
ミントは唄うように昨日とちょっと違う街角を歩いていた。


「忘れ物をしてきたみたい。」
「・・・忘れてていいのかも。」
「何かがこわれたあとみたい。」
「・・・あたらしいのがみつかるよ。」
「ナナちゃんは、忘れたいことと、忘れたくないこと、どっちをよく思い出すの?」

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寄せ植えのパンジーがこっちを見ている。
「私を想ってください。」泣きそうなくらい青い花が少しうつむいて
「私を想ってください。」・・・いつかどこかで聞いたことのある言葉


花はいつもそこにいた。あったけれど見たことはなかった。
語りかける花の向こうから、ふるえるような風を連れて、

ゆるやかな日ざしの中でやさしく、懐かしく、愛しく、

ほほえむように触れてくるもの。ナナは目をほそめて、すう、と深い息をした。
「もしかしたら、ここにいるの?」
あのやさしく撫でるようなあたたかさをナナは感じていた。

 

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昨日と違う道

「面接、受けてみようかしら。花のこともっと知りたくなったの。」


 ナナとミントは昨日とちょっとちがう道を歩いている。

 

ブログはじめ

 

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何から始めますか 

生活に追われて自分を浪費している

もっと、自分以外の何かのために仕事がしたい

 

2019元旦 日の出に向かう道を歩いていた。

じわじわと明るさが増す街に太陽の鼓動を感じた。

川面が輝き平たく伸びて空を映し水鳥が飛び、

もしかしたら望みは全て叶えられるかもしれないと

湧き上がる思いがあった。

 

何から始めますか

 

まず自分を解放しよう

 

それで、クローゼットになっていた床の間の解放 断捨離

花を飾る空間を作った。

 

次はうざったい生活の中から創作のための時間を作ろう。

週3日アトリエに籠る時間を作って

 湧き上がる思いに任せるの

 

どうも辛く苦しくなくてはいけないと思う癖があり、

自分を解放できない理由にする

言い訳をする

 

いつも助けられてきた

不思議な出来事に導かれて

気がつくと思いは叶えられていた

 

不安などない

今何もかもあるのだから

 

なりたい自分

行きたい場所

 

いつもいつも守ってくれている誰か というより

関わりの深いエネルギーの集合体と大いなる存在に感謝します。